◇不動産相続コラム◇番外編◇地方の土地事情─地目が語る、廃村と家族の選択
🏞 集落の移り変わりと家族の決断
地方の山間部では、かつて農業を中心に暮らしていた集落が、時代の流れとともに姿を消していきました。
私の一族もその一つで、昭和50年代に小学校の休校が決まり、子どもたちの教育環境を考えて山を下り、別の地域へ移住することになりました。
それは、暮らしの拠点を移すと同時に、長年寄り添ってきた土地とのつながりが静かに薄れていく転換点でもありました。
🌲農地の変化と登記の現状
その後、農業をしていた土地は使われなくなり、地目変更などの手続きも行われないまま、50年以上が経過しました。
相続登記を進める中で確認したところ、現況は完全に山林であるにもかかわらず、登記簿上では「田」や「畑」のまま残っている土地がいくつも見つかりました。とはいえ、土地との関係が完全に途絶えていたわけではありません。
👴 祖父の思いと土地への責任
祖父はその後もずっと、売却することなく固定資産税を払い続けていました。
使われていない土地であっても、責任を持って管理し続けていたその姿勢には、家族としての誇りと、土地への静かな思いが感じられます。
グーグルアースで見ると、祖父が元気なうちは定期的に手入れが行われていた様子もうかがえ、土地とのつながりが完全に途絶えていたわけではないことが、視覚的にも伝わってきます。子や孫に土地を残そうとした祖父の思いも、そこから静かに伝わってくるようです。
📑 地目変更の重要性と現在の取り組み
こうしたケースは、地方では決して珍しくありません。
地目変更には申請が必要ですが、農地法の規制がかかるため、農業委員会への相談も欠かせません。
私も現在、相続登記と並行して農業委員会に相談しながら、地目の整理を進める準備をしているところです。
地目が「田」や「畑」のままでは、売却や活用にも制限が出るため、地目変更は資産価値を守るうえでも重要なステップです。
🏡 土地に宿る記憶と不動産業の役割
土地は、ただの不動産ではなく、家族の記憶と歴史を宿した存在です。
登記簿に残る「田」や「畑」という文字が、かつての暮らしと、家族の選択を静かに語っているように感じます。
不動産会社も、そこに勤める人間も、人生の中でさまざまな経験を重ねています。
私自身も、今回の相続を通じて「土地とは何か」「家族とは何か」を改めて考える機会を得ました。
だからこそ、お客様が抱える不安や疑問に、机上の知識だけでなく、実体験をもとに寄り添うことができると感じています。
🤝 ご相談ください
相続した土地でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちは、単なる仲介業者ではなく、人生の節目に寄り添えるパートナーでありたいと考えています。