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◇不動産相続コラム◇ 【2024年相続登記義務化】相続人申告登記では売却できません|相続登記との違いと“のちのち困る理由”を解説

初回更新日:2026年3月22日

2024年4月から相続登記が義務化され、

「相続を知った日から3年以内に登記をしないと過料(10万円以下)」というルールが始まりました。

この制度が始まってから特に増えたのが、相続人申告登記と通常の相続登記(名義変更)の違いについての相談です。

名前が似ているため同じように見えますが、実際には役割も目的もまったく違います。
ここでは、その違いと“のちのちどうなるのか”までをまとめてお伝えします。

 

■相続人申告登記とは

→ 相続登記の「義務だけ先に果たすための手続」
→ 名義は変わらない(被相続人名義のまま)
相続人1人で申請できる
→ 必要書類が少なく、費用もかからない(登録免許税0円)
→ 遺産分割がまとまっていなくても申請できる
→ 売却・担保設定などの取引には使えない
あくまで“時間を確保するための暫定措置”

 

 

■通常の相続登記(名義変更)とは

→ 不動産の名義を正式に相続人へ移す本番の手続
→ 相続人全員の合意(遺産分割協議)が必要
→ 戸籍一式など、必要書類が多い
→ 登録免許税や司法書士費用がかかる
→ 名義が変わるため、売却・担保・賃貸などが可能になる
→ 最終的には必ず行う必要がある

 

 

■相続人申告登記は“のちのちどうなるのか?”

●名義はずっと亡くなった方のまま
→ 登記簿上は故人名義のまま。

 

●売却・担保・賃貸などの取引は一切できない
→ 名義が動かない限り、契約も審査も進まない。

 

●遺産分割が進まないまま年月が経つ
→ 相続人が増える
→ 高齢化・死亡による数次相続
→ 必要書類が増え、手続が複雑化

 

●結局、最終的には通常の相続登記が必要
→ 申告登記は“本番の相続登記の代わり”にはならない。

●固定資産税の通知は相続人に届き続ける
→ 名義が故人のままでも、税負担は相続人側。

 

 

■法的に決まっていること(確定事項)

→ 申告登記をしても名義は変わらない
→ 申告登記をすれば「義務を果たした扱い」になる
→ 売却・担保設定には通常の相続登記が必須
→ 2024年4月以前の相続は「2027年3月31日までの猶予」がある
最終的には通常の相続登記をしなければならない

 

 

■関係機関で検討されていること(運用面)

 

→ 申告登記だけで放置されるケースへの対策
→ 所有者不明土地を増やさないための管理強化
→ 司法書士会との連携による通常登記への誘導
→ 申告登記後のフォローアップ体制の整備

 

国の方向性は明確で、「申告登記は最低限の義務。本番は通常の相続登記」という扱いが今後も続く見込みです。

 

 

■まとめ

相続人申告登記は、
「義務だけ先に済ませるための手続」

 

通常の相続登記は、
「名義を正式に移すための手続」

 

この2つは役割がまったく違います。

 

そして――売却を少しでも考えているなら、相続登記一択です。

 

名義が変わっていない状態では、売却も、担保設定も、買主との契約も、金融機関の審査も進みません。
どれだけ条件の良い買主が見つかっても、名義が動かなければ取引は止まってしまいます。

「売るかどうかまだ決めていない」という段階でも、将来の選択肢を残すためには、相続登記を済ませておくことが一番確実です。

 

▼ 参考資料
・法務省「相続登記の申請義務化」
・不動産登記法(相続登記義務化の条文)
・所有者不明土地関連法
・国土交通省「所有者不明土地対策」
※本記事は上記の公的資料をもとに作成しています。

 

 

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