◇不動産相続コラム◇固定資産税が“0円の土地”が生む相続トラブル
初回更新日:2026年4月10日
― 倉敷でも増えている「通知書に載らない土地」の落とし穴 ―
毎年4月頃に届く固定資産税の納税通知書。
倉敷でも「これに載っている土地と建物がすべて」と思っている方は多いです。
しかし実は、通知書に載らない土地が存在します。
そしてその土地こそが、相続の場面で大きな負担となることがあります。
■ 固定資産税が“0円”になる土地とは
固定資産税はすべての土地に課税されるわけではありません。
地方税法第348条では、一定の土地は非課税とされることが明確に定められています。
倉敷市内でも該当するケースは多く、主に次の3つです。
● 1. 評価額が免税点(30万円)未満の土地
山林・原野・農地の一部など、資産価値が極端に低い土地は課税されません。
● 2. 公共性の高い土地
私道・墓地・保安林など、公共の利益に供される土地は非課税。
● 3. 国や自治体が所有する土地
公園や学校など、課税主体と所有者が同じ場合は課税されません。
これらの土地は、固定資産税がかからない=納税通知書に載らないという特徴があります。
■ 通知書に載らない土地は、家族が存在を知らない
非課税の土地には納税通知書が届かないため、家族がその土地の存在を知らないまま何十年も過ぎることがあります。
倉敷でも実際にあるケースとしては、
・親が生前に説明していなかった
・地番が複雑で場所が分からない
・山林や農地の一部で境界が曖昧
・価値が低いため本人も“持っている意識”が薄い
こうした理由から、「相続が始まって初めて土地の存在を知った」というご相談は珍しくありません。
■ 価値がない土地ほど、相続手続きは重くなる
非課税の土地は税金がかからないため、「負担がないから放っておいてもいい」と思われがちです。
しかし相続が始まると、価値がない土地ほど、手続きだけが増えるという現実があります。
・相続登記
・相続人全員の同意
・地番・境界の確認
・場所の特定
・管理責任の発生
倉敷市内でも、「山の奥にある原野」「昔の農地の一部」「細い私道」など、
“使えないのに手続きだけ必要”な土地が相続で突然あらわれるケースが増えています。
■ 2026年2月から全国の不動産を一括で調べられるように
こうした“知らない土地”問題に対応するため、
2026年2月から法務省が全国の不動産を一括で検索できる新しい公的サービス
(不動産登記情報の全国一覧取得サービス)を開始しました。
これにより、
・納税通知書に載っていない土地
・親族が誰も知らなかった土地
・県外にある土地
も、まとめて確認しやすくなりました。
倉敷に住んでいても、「実は岡山県北に山林を持っていた」「昔の相続で広島側に土地が残っていた」というケースは珍しくありません。
このサービスは、相続登記義務化の時代に合わせた“事前確認の必須ツール”
■ 相続登記義務化で、放置できない時代に
2024年から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しないと過料の可能性があります。
価値が低くても、売れなくても、使い道がなくても、相続した以上は、登記や管理の責任が発生するということです。
知らない土地が突然出てくると、手続きが増え、時間も費用もかかり、相続人にとって大きな負担になります。
■ 倉敷でトラブルを防ぐためにできること
● 名寄帳や全国一括検索サービスで所有不動産を確認
倉敷市役所で名寄帳を取得すれば、市内の不動産はすべて確認できます。
さらに、2026年からは全国版の検索も可能になりました。
● 生前の情報共有
「どこに、どんな土地があるのか」
これを家族が知っているだけで、相続の難易度は大きく下がります。
● 専門家に相談する
地番の調査や境界の確認、相続登記の流れなど、不動産会社・司法書士・土地家屋調査士がサポートできます。
倉敷は地番が複雑な地域も多く、児島・玉島・真備など、エリアごとに事情が異なるため、
地域をよく知る専門家に相談するメリットは大きいです。
■ 出典
-
地方税法 第348条(固定資産税の非課税規定)
総務省/法令データ提供システム
-
固定資産税の非課税に関する自治体解説
前橋市公式サイト
福井市公式サイト
名古屋市公式サイト
-
不動産登記情報の全国一覧取得サービス(2026年2月開始)
法務省公式発表



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