◇不動産コラム◇ 相続した家が“未登記建物”だった…売却準備で判明する意外な落とし穴
相続した家を売ろうとしたとき、「建物が登記されていない」という事実が判明するケースは意外と多くあります。
固定資産税は毎年払っているのに、登記簿には建物の記載がない。
「どうしてこんなことが起きるの?」「登記してないのに税金はかかるの?」
初めての方には不思議に感じるかもしれませんが、古い家ではよくあることです。
ここでは、実際に起こり得るケース例として、未登記建物が原因で売却準備が止まってしまった流れと、
どう解決していくのかをわかりやすく紹介します。
目次
- 売却準備で判明した“未登記建物”とは
- なぜ建物が未登記のまま残るのか
- 未登記でも固定資産税がかかる理由
- 未登記建物が売却を止めてしまう理由
- 未登記が見つかった時の対処の流れ
- 建物登記の手続きと必要な作業
- 登記完了後に売却が進む仕組み
- 今回のケースから学べるポイント
- 不動産会社がサポートできること
■ ケース例:売却準備の段階で“未登記建物”が判明
ケース例(※実在の人物ではありません)。
父が亡くなり、Aさんは実家を相続しました。
老朽化も進んでいたため、売却を検討し、不動産会社に相談。
不動産会社は売却準備として、土地と建物の登記簿を取得して内容を確認します。
その段階で、
- 土地は登記されている
- 建物は登記されていない(未登記)
という状態が判明しました。
Aさんは驚きました。
「家は何十年も前から建っているのに、どうして登記がないんですか?」
司法書士の説明はこうでした。「昔は建物を登記しないまま住んでいたケースが多いんです。」
■ なぜ“未登記建物”が生まれるのか
古い家に多い理由は次のとおりです。
- 建築時に登記を忘れたまま何十年も経過
- 増築・改築をしたが登記を変更しなかった
- 当時は登記の必要性があまり認識されていなかった
- 建築確認の資料が古く、手続きが曖昧なまま
つまり、「未登記=違法」ではなく、単に手続きがされていないだけというケースがほとんどです。
■ なぜ“未登記なのに固定資産税が来ていた”のか
ここが一番の疑問ポイントです。
結論はシンプルで、
固定資産税は「登記」ではなく、市町村の“固定資産税台帳”で管理されているから。
市役所は次のような情報から建物の存在を把握しています。
- 建築確認申請
- 現地調査(固定資産税の調査員が巡回)
- 航空写真
- 過去の所有者の申告
- 取り壊しの届け出が出ていない
そのため、登記がなくても固定資産税は普通に課税されます。
■ 未登記建物だと売却で何が困るのか
未登記建物は、売却の場面で次のような問題を引き起こします。
- 建物の所有者が証明できない
- 売買契約の安全性が担保できない
- 金融機関が担保評価できない
- 買主がローンを使えない
- 結果として売却手続きが止まる
特に金融機関は、建物の情報を登記で確認できないとローン審査を進められません。
■ ケース例:売却活動を始める前に、未登記が壁に
Aさんは売却を希望していましたが、不動産会社からこう説明されました。
「このままでは売却活動を始められません。まず建物の登記が必要です。」
理由は、
- 建物の所有者が登記で証明できない
- 建物の評価ができない
- 買主がローンを使えない可能性が高い
というものです。
そこで、司法書士と不動産会社が連携し、建物の登記手続きを進めることになりました。
■ 未登記建物をどうやって登記するのか
建物の登記には、次の作業が必要です。
- 建物の現況調査
- 図面の作成(建物図面・各階平面図)
- 所有者の確認
- 必要書類の収集
- 法務局への申請
古い家の場合、図面が残っていないことも多く、現地で測量しながら図面を作り直すこともあります。
このケース例でも、売却に向けた現地確認は不動産会社が行い、建物の登記に必要な実測や図面作成は
土地家屋調査士が担当し、相続登記や所有権移転などの法務手続きは司法書士が進めます。
■ 登記が完了すると、売却が一気に進む
建物の登記が終わると、
- 売却活動の開始
- 買主のローン審査
- 売買契約
- 引き渡し
という流れがスムーズに進みます。
■ このケース例から学べること
- 古い家は“未登記建物”が意外と多い
- 未登記だと売却活動そのものが始められない
- 登記は後からでもできる
- 不動産会社と司法書士が連携すると解決が早い
- 相続後は早めに登記簿を確認しておくと安心
相続は複雑ですが、正しい手順を踏めば必ず前に進めます。
■ 不動産会社としてできるサポート
萬屋では、未登記建物のケースでも
- 現地確認
- 建物の状況調査
- 図面作成の手配
- 売却・活用の提案
- 土地家屋調査士・司法書士との連携
まで一貫してサポートできます。
「登記がないと言われた」「売却準備が進まない」そんな時も、まずは状況を整理するところからお手伝いできます。
◆ よくある質問FAQ
Q1. 未登記なのに固定資産税がかかるのはなぜですか。
固定資産税は市役所の台帳で管理されており、登記とは別の仕組みで課税されます。建築確認や現地調査などで建物の存在を把握しているため、未登記でも課税されます。
Q2. 建物の登記は誰に依頼すればいいですか。
建物の実測や図面作成など、登記に必要な専門調査は土地家屋調査士が担当します。相続登記や所有権移転などの法務手続きは司法書士が行います。
Q3. 建物の登記にはどれくらい時間がかかりますか。
建物の規模、図面の有無、築年数、現地の状況などによって大きく変わるため、ケースバイケースです。
図面が残っている場合は比較的早く進みますが、古い家で図面がない場合は現地での実測が必要になり、数週間〜1か月程度かかることがあります。
Q4. 未登記建物かどうかはどこで確認できますか。
法務局で登記簿を取得すれば確認できます。不動産会社に売却相談をすると、売却準備の一環として登記簿を確認してくれます。



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