◇不動産相続コラム◇非農地届出とは|登記が「畑・田」のままの土地を相続した方へ
初回更新日:2026年3月23日
現況と登記を一致させ、将来の手続きをスムーズにするための基礎知識
相続した土地を確認すると、
- 登記は「畑」なのに、現地は完全に山林化している
- 何十年も耕していないのに、農地扱いのまま残っている
こうした “現況と登記の不一致” は珍しいことではありません。
その整理に関わるのが 非農地届出(ひのうちとどけで) です。
本記事では、農地法(e-Gov)や農林水産省の公的情報を基に、
非農地届出の基本と、現場でよく見られる傾向をわかりやすく解説します。
🔍【1】非農地届出とは
現況が農地ではない土地について、農業委員会にその事実を届け出る手続きです。
農地法では、農地を「耕作の目的に供される土地」(農地法第2条)と定義しています。
つまり、次のような状態は“農地とは言えない”可能性があります。
- 長年耕作されていない
- 木が生い茂り、地面が見えない
- 下草が高く、歩くことも難しい
- 完全に山林・原野のような状態
しかし、登記が「田」「畑」のままだと、
- 売却
- 転用
- 相続手続き
などで 農地扱い となり、農地法の規制を受けることがあります。
そのため、現況に合わせて「農地ではありません」と整理するのが非農地届出です。
🔍【2】非農地届出が必要になる典型的なケース
① 相続した土地が昔の地目のまま残っている
現地が山林化していても、登記が「畑」「田」のままというケースは非常に多いです。
② 現地が完全に山林・原野化している
草木が生い茂り、農地としての利用実態がない土地は、現況として農地とは言えません。
③ 売却や転用の際に「農地扱い」で手続きが止まる
農地転用許可が必要となり、手続きが大幅に増えることがあります。
非農地届出を行うことで、現況に合わせた扱いへ整理でき、手続きがスムーズに進むようになります。
🔍【3】非農地届出の流れ(一般的な手続き)
非農地届出は、各市町村の 農業委員会 が窓口です。
多くの自治体では次のような流れになります。
① 申請書の提出
土地の所在地・地目・現況を記載します。
② 農業委員会による現地調査
職員が現地を確認し、農地としての利用実態があるかを判断します。
③ 非農地としての確認
農地ではないと判断されれば、非農地として扱われます。
④ 売却・転用手続きがスムーズに
農地転用許可が不要となる場合があり、
その後の手続きが簡素化されます。
※ 登記の地目変更は別手続き です(法務局での申請)。
🔍【4】なぜ非農地届出が重要なのか
非農地届出を行うことで、次のようなメリットがあります。
- 農地法の規制を受けずに売却できる可能性が高まる
- 相続後の手続きがスムーズになる
- 買主側の不安を減らし、取引が進みやすくなる
- 現況と登記の不一致によるトラブルを防げる
特に相続した土地では、「登記は農地だが、現況は農地ではない」というケースが非常に多く、早めの整理が将来の負担軽減につながります。
🔍【5】非農地届出が必要な土地が多いと感じる理由
現場で相談を受けていると、“登記は農地のまま、現地は山林化している土地”
に出会うことが少なくありません。
これは特別な事情ではなく、次のような背景が重なって起こる一般的な現象です。
✔ ① 昔の地目がそのまま残っている
かつて畑だった土地が、利用されなくなっても登記だけ残っているケース。
✔ ② 長期間、人の手が入らず自然に戻っている
耕作されなくなった土地は、草木が伸び、木が育ち、山林のような姿になります。
✔ ③ 相続をきっかけに“ズレ”に気づく
相続前は土地の状態を詳しく知らず、初めて不一致に気づくケースが多いです。
✔ ④ 農地制度が複雑で、手続きが後回しになりやすい
農地法や転用制度は専門性が高く、整理が後回しになりがちです。
✔ ⑤ どの地域でも起こり得る自然な流れ
土地の利用が変わり、人の手が入らなくなると自然に戻るため、
登記と現況が一致しなくなるのは一般的な現象です。
🔍【6】まとめ
非農地届出は、土地の現況と登記の状態を一致させ、売却・相続・転用の手続きをスムーズにするための重要な手続きです。
登記が「田」「畑」のままの土地を相続した場合は、
- まずは現況を確認し、
- 必要に応じて農業委員会へ相談する
この2ステップが、将来のトラブル防止につながります。
📚 【出典(公的機関)】
e-Gov法令検索|農地法(農地の定義:第2条)
農林水産省|農地制度(農地法の概要)
各自治体 農業委員会|非農地届出・非農地証明の案内
国土交通省|不動産登記制度(地目の考え方)



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