萬屋スタッフがやってみた相続手続き【農地の届出編】
初回更新日:2026年3月10日
最新更新日:2026年4月18日
萬屋スタッフとして、相続の手続きがどこまで自分で進められるのか
好奇心もあって実際に試しながら整理した内容をまとめています。
たまたま自分が動ける環境にあっただけで、同じ方法を勧める意図はありません。
相続は心理的にも時間的にも負担が大きく、専門家に依頼したほうが負担が少ない場合も多いです。
体験のくだりはあくまで一例としてご覧ください。
農地を相続すると、一般の土地とは少し違うルールが出てきます。
相続登記を済ませただけでは終わらず、農地ならではの“もうひと手間”が必要になる場面があります。
今回は、 「相続したときの届出」 と 「農地はそのまま売れるのか」 この二つを、ひとつの流れとして分かりやすくまとめてみました。
🧭 まずは「相続したときの届出」が必要
農地を相続した場合は、農地法第3条の3 に基づき、農地のある市町村の農業委員会へ届出を行います。
倉敷市の場合は 倉敷市農業委員会 が窓口です。 (出典:e-Gov法令検索「農地法」)
相続登記とは管轄が違うため、登記が終わっても農業委員会へ“勝手に”情報が届くことはありません。
・相続登記 → 法務局
・相続届出 → 農業委員会
この二つは別の手続きとして進める必要があります。
■ 届出の期限はいつまで?
農地を取得したことを知った日から おおむね10か月以内 (農地法第3条の3 第1項)
■ 届出を怠るとどうなる?
10万円以下の過料 の対象になることがあります。(農地法第69条)
🌱 実際にやってみて感じたこと
農地の相続届出は、書類そのものは難しくありません。
ただ、自治体によって対応が大きく違う という点は、実際に手続きを進めてみて強く感じた部分です。
特に私の地元の市では、
- 書類の郵送提出が不可(窓口持参のみ)
- 担当者が外出していることが多く、アポイント必須
という状況でした。
そのため、県外から手続きを進める場合は、
・役所へ直接行く必要がある
・担当者の在庁確認が必要
・日程調整が必須
・仕事や家庭の都合で時間を作るのが大変
といった“距離と時間のハードル”を感じることがあります
・仕事や家庭の都合で時間を作るのが大変
といった“距離と時間のハードル”を感じることがあります。
一方で、 書類は市町村の公式HPに原紙(PDF)が掲載されていることが多い ため、 事前準備はスムーズに進められます。
倉敷市も届出書式や記入例が公開されているため、 倉敷市内の農地を相続した方は 倉敷市農業委員会へ事前に確認 しておくと安心です。
📄 実際に準備した書類(参考)
私が手続きを進めた際に必要だった書類は次のとおりでした。
・相続した筆ごとの申請用紙(市町村HPからダウンロード)
・登記完了通知書のコピー
・前所有者から相続したことが分かる書類(法務局で作成した相続関係説明図で対応できました)
相続関係説明図は、相続の流れが一目で分かるため、 農業委員会側でも確認しやすく、スムーズに受理されました。
なお、 必要書類や受理の基準は市町村によって異なる場合があります。
必ず、手続きを行う自治体の農業委員会HPで最新の案内を確認しておくと安心です。
■ 次に気になる「農地は売れるのか?」という話
相続した農地をどうするか考えるとき、多くの方が気にされるのが 売却 の問題です。
よく耳にする「農地は農地のままでは売れない」という言葉。
これは半分正しくて、半分誤解があります。
📝 農地は“売れる”。ただし許可が必要
農地を農地のまま売る場合は、農地法第3条の許可 が必要です。(出典:e-Gov法令検索「農地法」)
つまり、農地のまま売ることはできるけれど、許可なしでは売れないというのが正しい理解です。
買主にも条件があり、
- 本当に耕作する意思があるか
- 農地までの距離が適切か
- 農業に支障がないか
こうした点を農業委員会が確認します。
🏡 宅地にして売りたい場合は「転用許可」
農地を宅地に変えて売りたい場合は、農地法第5条の許可(転用許可) が必要です(出典:e-Gov法令検索「農地法」)
転用許可が下りれば、宅地として売却することも可能になります。
📚 農林水産省の案内
農林水産省のHPでも、次のように案内されています。
・相続は許可不要
・ただし 届出は必須(農地法第3条の3)
・農地のまま売るなら 許可(農地法第3条)
・宅地にするなら 転用許可(農地法第5条)
(出典:農林水産省「農地法の届出制度」)
✨ひとこと
農地は、普通の土地とは少し違うルールで守られています。
だからこそ、倉敷市でも「相続したらどうする?」「売れるの?」「転用したほうがいい?」
と迷う方が多いのも自然なことです。
ただ、
- 相続したら 届出(3条の3)
- 農地のまま売るなら 許可(3条)
- 宅地にするなら 転用許可(5条)
この三つだけ押さえておけば、農地の扱い方はぐっと分かりやすくなります。
利用方法は後からゆっくり考えるとしても、まずは必要な届出だけ済ませておくと安心です。
📌 FAQ(よくある質問)
Q1. 相続登記をしたら、届出も終わったことになりますか?
いいえ。
相続登記は法務局、届出は農業委員会。
管轄が違うため、どちらか一方をしてももう片方は勝手に動きません。
Q2. 農地は本当に売れないんですか?
売れます。
ただし、農地法第3条の許可 が必要です。
許可なしの売買は法律上「無効」になります。
Q3. 農地を宅地にすれば売りやすいですか?
ケースによります。
宅地にするには 農地法第5条の転用許可 が必要で、
場所によっては許可が下りないこともあります。
Q4. 相続した農地をしばらく使わない場合はどうすれば?
まずは届出だけ済ませておけば大丈夫です。
利用方法(耕作・貸す・売る)は後からゆっくり考えても問題ありません。
Q5. 倉敷市ではどこに相談すればいい?
倉敷市内の農地であれば、
倉敷市農業委員会 が窓口になります。



土地物件
戸建物件
マンション物件
事業用物件